超マニアック!ほとんどの美容師が知らない髪の構造

髪について

ここのページを開いたあなたは相当なマニアですね
美容師でも知っている人が少ない髪の知識を書いていきます

内容は
【キューティクル】【コルテックス】【メデュラ】のさらに細かい説明です

これを見ると髪の構造がかなり詳しくなりダメージ要因のチェックができるようになります
チェックができるということはざっくり『トリートメントを使う』というよりは
羽毛ケラチンが入っているトリートメントにしよう、とかPPTが入っているトリートメントにしよう
などより細かくケア製品を選ぶことができます
もちろん成分知識が必要になりますがここではその土台作りになるといえます


キューティクル

まずキューティクルは数枚が重なって髪の表面を保護しています
キューティクルは大体髪の10〜15%を占めており、髪の手触り、艶、硬さと関係があり
ブラッシング、手ぐしなど物理的な刺激や、水、薬剤、シャンプーなどの化学的な変化から
コルテックスやメデュラを守る働きをしています

キューティクルは枚数が重なっていますがその1枚1枚も5つの多層構造でできており外側から

1.エピキューティクル

2.A-層

3.エキソキューティクル

4.エンドキューティクル

5.inner-層

5層の厚みは0.5〜1μm(マイクロメートル)

1mmの1/1000 です

エンドキューティクルは柔らかく水で膨潤しやすい性質で、水、ヘアカラー、パーマ剤などの通り道になります

そしてその5層で1セットのキューティクルを1セットずつ接着している〔CMC(細胞膜複合体)〕は3層に分かれていて外側から

1.lower-β層(ベータ)

2.δ層(デルタ)

3.upper-β層

3層の厚みは40〜60nm(ナノメートル)

1μmの1/1000 です

この合計8つの層の積み重ねが私たちの髪を守ってくれています

LEBEL毛髪の基本構造~それぞれの役割と特徴を知る~ 参考


そしてCMCの境目とキューティクル表面に脂質成分MEA(18-メチルエイコサン酸)が存在します
健常な毛髪では毛髪表面をこのMEAがおおっていますが不健康な髪だとこの脂質成分が不足してしまいます

MEAが髪全体に占める割合はわずか0.1%未満ですがミンクの毛にもあり、毛髪表面の摩擦を低減してまとまりをよくする働きがあり、髪のツヤや手触りを左右しています
紫外線やカラー(ブリーチ)でなくなりやすく1回のカラーで80%が失われると言われています
このMEAはトリートメントなどに単純に配合するだけでは毛髪表面に定着させることはできません
おすすめは

「羊毛由来のラノリン脂肪酸」

「ポリクオタニウム-33」

という成分がおすすめです
ここに成分の詳細まで書いてしまうと巻物になってしまうのでここでは省略いたします
まだまとめきれていないので知りたい方は検索してみてください


コルテックス

髪の中は繊維状の束とCMCでできています
この部分のタンパク質・脂質の構造や水分量が、髪の柔軟性や太さに影響します
また、メラニン色素は主にこの部分に含まれていてその種類と量によって髪の色が決まり
髪の85〜90%を占めております

コルテックスは数10個のマクロフィブリルというのが集まってできていて
そのマクロフィブリルの間には親水性の高い非ケラチンタンパク質があり、その中には
メラニン色素や肌にもあるNMF(天然保水因子)が含まれています

このケラチンの欠如、NMFの欠如でしなやかさやハリコシがなくなり中身のスカスカの髪になってしまうのです

そしてこのマクロフィブリルはさらに数10個のミクロフィブリルとマトリックスで構成されており
ミクロフィブリルは8本のプロトフィブリルが集まってできています

プロトフィブリルは4本のフィブリルが集まってできているのでマクロフィブリルは
フィブリルとマトリックスでできていると言えます

LEBEL毛髪の基本構造~それぞれの役割と特徴を知る~ 参考


メデュラ

今までメデュラは存在すら曖昧で存在してもどのように存在しているのかわからず顕微鏡では暗く不明瞭なものとしか認識されていませんでした
ですが髪の中心にあるといわれるメデュラはやわらかいタンパク質による網目状あるいは多孔質構造でダメージを受けると多孔質構造の割合が増加することがわかったそうです
働きはよくわかっていませんが膨潤や収縮する際の緩衝スペースや大きな空洞を有する動物の毛では断熱効果に役立っていると考えられています

さらにルベルという会社が見え方が違うメデュラが存在することを発見し

今までの暗く不明瞭なものを〔ブラックメデュラ〕
新しく発見した明るく明瞭なものを〔ホワイトメデュラ〕
と名付けたそうです

LEBEL毛髪の基本構造~それぞれの役割と特徴を知る~ 参考

ブラックメデュラは繊維が細く空間が多い
ホワイトメデュラは繊維が太く空間が少ない

そうで白髪で見ると
ブラックメデュラは白く目立ち
ホワイトメデュラは透けて目立ちにくいそうです
なのでこのブラックとホワイトの違いは髪の透明感、艶に影響していると考えられます

現にこの会社が、ツヤと透明感のない白っぽく目立つ白髪、を集めて調べたところブラックメデュラが
98%以上を占めていたそうです

ここから分かる通り綺麗な髪にはキューティクルとコルテックスも重要ですが
深みのあるツヤや透明感などを目指したい場合はメデュラの状態も重要と言えます


【きほんの毛髪化学】の髪の構造・成分・特徴一覧を参考に各種特徴を載せておきます
ヘアケアの参考にしてみてください

                                   

ヘアサイエンスの知識をつけ、適切なヘアケアをして美しくなりましょう

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